事故の治療費は誰が払うの?

Q&A 事故の治療費は誰が払うの?

Q: 昨年、横断歩道を青信号で渡っていたところ、不意に左折したきた車にひかれてしまいました。救急車で病院に運ばれ検査などを受けて一晩入院しましたが、幸い大きなケガはなく翌日退院しました。その後、自宅療養を続け問題なく回復しましたが、最近その病院から治療費約$1000の請求書が届きました。私は被害者なのに、治療費を支払わなければいけないのでしょうか?

A: 救急車代や治療費の請求書が、後日、被害者のもとに届くことは時折あることです。NSW州とQLD州ではCompulsory Third Party “CTP”保険(NSW州ではGreen Slipと呼ばれています)の加入が義務付けられているため、被害者の治療費全般は加害者が加入しているCTP保険が負担することとなっています。したがって、被害者は急いで請求書の支払いをせず、相手側のCTP保険会社に転送するのが良いでしょう。また、請求書を受け取った際に病院には事故の被害者であること、加害者側のCTP保険会社に請求書を送付したことを伝えておくべきでしょう。すでに救急車代や治療費を支払っている場合には、相手側のCTP保険会社に治療費の払い戻し申請を行うことが出来るので、請求者・領収書類は保管しておくよう気を付けてください。

もし相手のCTP保険会社が分からない場合は、Roads and Maritime Servicesのオンラインサービスや電話1300 656 0919でRegistration(ナンバープレート)から相手のCTP保険会社を照会することが出来ます。

NSW州では被害者だけでなく、加害者にも計$5000までの治療費や休業損害の補償が認められています。この補償を受けるには、NSW州所定の交通事故通知書(Accident Notification Form)を提出し、自身が加入しているCTP保険会社に正式に事故の通知を行う必要があります。
現行のCTP制度では相手車両の運転手や名義人が被害者の治療費を負担することはありません。事故後の相手運転手の対応が冷たい、誠意が感じられないと思われることもあるかもしれませんが、制度上、治療費について当事者同士が話し合うよりもCTP保険会社と事務的な話を進めるほうが、スムーズに事故処理を終えられるのではないかと思います。