交通事故Q&A (ニューサウスウェールズ州)

Q:事故で人身被害にあったときは誰が補償の対象となりますか?
A:基本的には第三者に事故の責任がある場合、事故の被害者がCTP保険の補償対象となります。単独事故の場合は通常、運転手は補償対象となりませんが、同乗者は事故の被害者とみなされるので、補償を受けることが出来ます。

Q:私にも一部事故の責任があるかもしれないのですが、CTP保険の補償を受けることはできますか?
A:被害者に事故の責任が多少ある場合でも、CTP保険の補償を受けることは可能です。ただし、被害者に事故の過失が20%程度あると考えられる場合だと、最終的な補償も20%程度減額になります。また事故の責任は全くなくても、被害者が自ら事故の損害に貢献したとみなされる場合(例:シートベルトを着用していない、運転手が飲酒運転だと知っていて同乗した、など)、受け取ることが出来る補償は減額されます。

Q:事故の加害者が分からないのですが、CTP保険請求は可能ですか?
A:ひき逃げ事件や加害者が連絡先を交換せず現場から逃走してしまった場合でもNominal Defendantという機関に対して保険の請求をすることが出来ます。ただし、加害者が判別できない場合はすぐに警察に届け出るだけでなく、他に目撃者がいないか呼びかける、事故現場に監視カメラの映像が無いか確認する、といった手段で加害者の特定を試みなけれはいけません。加害者を特定しようとした形跡がないと判断されると、Nominal Defendantにより請求が却下されることがあるので注意が必要です。

Q:裁判はしたくないのですが、それでもCTP保険請求はできますか?
A:ニューサウスウェールズ州のCTP保険請求において手続き開始後すぐに裁判となることはありません。関連法により、被害者と保険会社は示談の話し合いを行うよう決められており、多くのケースは通称CARS(Claims Assessment and Resolution Service)と呼ばれる裁定機関を通して解決します。