物損被害について

Q&A: 物損被害について

Q: 先日、低速走行中に無理な割り込みをしてきた車に衝突されました。私に事故の責任はないと思うのですが、このような場合車の修理費用の負担はどのように決められるのでしょうか?人身被害がない場合でも、警察に届け出るべきでしょうか?

A:いくら注意を払って運転していても、周りの車の無理な運転や不注意により軽い衝突事故に巻き込まれてしまうことは、誰にでも起こりえることです。以下、被害が物損のみの軽度の衝突事故が起きた場合に取るべき行動とポイントをまとめます。

  • 事故直後の対応

怪我人が一切いない場合でも、物損被害が推定$2,500を超えると見込まれる際は、まず警察を呼んでください。その場で警察を呼ぶのが困難な状況である場合、相手ドライバー・車両の詳細(名前、住所、車両登録番号、車種、型、色)、事故の起きた時間と現場の住所を控えるのを忘れないよう心がけてください。往々にして当事者間で事故責任を判別することは難しく、後々のトラブルを避けるためにも出来るだけ早い段階で警察に届け出ることが重要です。

  • 保険の種類

物損の被害が対象となる任意保険には、一般的に(1)第三者物損保険(Third Party Property Damage Insurance)と(2)総合保険(Comprehensive Insurance)の二種類あります。大まかに(1)と(2)の違いをまとめると、

(1)は自分が事故を起こしてしまった場合に自分以外の人が被る物損の被害を対象としており、自分の車に掛かる修理費用は含まれません。

(2)は自分が事故を起こしてしまった場合に自分と自分以外の人に発生する物損の被害すべてが対象となります。また、相手が起こした事故に巻き込まれた際、自分が被った物損の被害も対象となります。

以上を踏まえた上で、Qのように相手に事故責任があると見られる場合、自分の車の修理費用は相手の車両が加入している物損保険により負担されると考えられます。また、総合保険に加入している方であれば、通常、自身の保険を利用します。但し、双方ともに物損保険に加入していない場合は、当事者同士で修理費用の負担や支払い方法の交渉が必要になります。円滑に取り決めが交わせられるのに越したことはありませんが、当事者間で合意が得られない場合にはQueensland Civil and Administrative Tribunal(QCAT)と呼ばれる裁決機関に判断を委ねることも可能です。